「ごめんなさい」は言わなきゃいけないの?

ごめんなさいは!?

子どもに感情的になってつい言ってしまったこと、ありませんか?未だに見られる大人が子どもに「ごめんなさい」を言わせようとするやりとり。実際、このやりとりが有ると無いで、子どもが成長してくにつれ「ごめんなさい」の必要性の感じ方に違いが出てくるのでしょうか?
我が子の姿に、目先の利益や結果をとるか、見えない将来をとるか、どちらを重要視するか、がこのテーマの応えになります。

 

目先の利益や結果を求めた場合どうなるかを、まず思い浮かべてみましょう。お母さんは何かあった場合子どもに「ごめんなさい」を言わないと許さない意識が芽生えてしまったら、言わせるまでのそのやりとりが習慣化していきます。子どもが悲しそうな表情を浮かべていても、涙をこぼしそうでも、「ごめんなさいは?」と子どもに言わせることで、お母さんの中ではこの問題が解決したと、締めくくりたい気持ちがあるからでしょう。しかし、このやりとりが定番になっていくと…子どもは次第に「ごめんなさい」の言葉に感情がのらなくなります。言い換えると、言葉に感情を込めることの必要性がないと認識し、感情をこめて「ごめんなさい」ということを諦めるのです。「ごめんなさい」を言ったらお母さんとの楽しくない時間が終わる、お母さんは許してくれる、子どもはそう理解するからです。身につけさせたいと大事にしていた習慣が、実は子どもの間違った認識を生みながら学習の場を与えてしまっているということです。「ごめんなさい」を言わせないと気が済まない、目先の大人の(お母さんの)自己満足に付き合った結果の成長の姿です。
また、感情をこめない「ごめんなさい」を言われたら、お母さんはどのような反応をしますか?言う言葉はきっとこうです「何その言い方?ほんとに悪いと思ってるの?」鼻につく言い方をされて、お母さんは気が立ってしまうことでしょう。お母さんだけでなく、言われたら誰でも皆思う筈です。家庭だけでなく、お友達の前や関わりのある大人の前でもそのように言っていたら…相手に不快感や疑念を抱かせて人間関係にひずみが生じることは明白です。このような結末を招いてしまうことは避けたいですよね。「ごめんなさい」を覚えてもらうためには、長い目で将来の子どもの成長を見て関わることが大切です。

 

上の話をそのまま例にとると、子どもは悲しそうな表情を浮かべている、涙をこぼしている、このことがもう子ども自身で「悪いことしちゃった」と自覚している証です。「ごめんなさい」を真っ先に言うことよりも、ごめんなさい」と子ども自らで気づき、感じる心があるかがとても大切なことです。言葉を発していなくても、もはや涙を浮かべていたり表情がいつもと違うだけで「ごめんなさい」を物語っていますよね。「ごめんなさい」はお母さんが補足してあげてください。「そんな時は、ごめんなさいだね。」と、子どもと一緒に口に出すきっかけを作ってあげてください。意地を張らずに、お母さんも悪いと思った時は「お母さんもごめんなさい」と、ぜひ言ってください。そうすると子どもは、こんな感情や状況になったときにこの言葉を使う、ということをしっかり学習していきます。お母さんに謝る心があると、背中を追う子どもも謝る心をもって成長していきます。、ごめんなさいを言う前に、「なんで泣いているの?」「どうしてお母さんが起こっているかわかる?」等子どもに短い質問を投げかけてみるのも良いです。この質問を機に、自分の言動や感情を自分自身で見つめ直し振り返るきっかけになりますから。
「子育ては正解がない」と言われていますが、この視点は「ごめんなさい」だけでなく、あらゆる言葉や行動を子どもに覚えてもらうにあたって通ずる思考です。子どもの事で何か判断に困った時、子どもの今だけを見て物事を捉えるのでなく、長い目でその子を見据えた時に出来るか・出来ないかをじっくり見てあげてください。

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