大人と子どもの見え方の違い

「(自分の思っていた姿とは違って)どうしてそうなるの!?」
「ちゃんとやって!」
「何回もダメって言っているでしょ」
口にしたことが一度はある台詞かと思います。

 

同じものを見ていても大人と子どもでは感じ方や表現の仕方が違うのは、
見え方が違うからです。
この根本的な所がわかっているとわかっていないとでは、子どもと接するにあたり大きな違いが生まれてきます。
今一度わが子に目を向ける前に、まず目を通して見てください。
今までと少し違って見えるかもしれません。

 

(イラストか画像挿入)

 

 

 

 

例えばこの図、テーブルと食事そして椅子が描かれているので大人の私たちは
「食事をするところ」と、思い浮かんだ方がほとんどだと思います。
テーブルの上に食べ物が置かれているから、食べるという思考の判断と結びつきが自然とできましたよね。
それは私たちが、今まで体験した様々な経験から判断やその対象物がどのようなものかという概念が閃くからです。
自分の家族と、好きな人たちと食事をする機会が多々あったから得た学びであり、
経験が多い分、仮にテーブルと椅子がなくて食べ物しかない場合でもどのように食事の場を作るか、応用も利くと思います。
一方、まだこの世を1年、2年、たかだか数年しか生きていない子どもたちにとっては、
そのものだとと認識する経験値が圧倒的に少ないです。
心地よい体験をした経験値の差、これが大人と子どもの見え方の大きな違いです。

 

@自分の眼で見る、聴く、触る
A自分でやってみる、感じる
Bやってみて新たな情報を得る(教えてもらう)
これらの体験から得る学びの蓄積が必要になってきます。それは失敗体験も数多く含めて、です。この繰り返しがその子の知識と自信を育み、自分をより 生き生きとと表現してくれるようになります。

 

@の注意点としては、子どもと別の部屋でまたは別の時間で食事をしている場合だと、子どもにとっての「聴く」「見る」が無くなります。
また、背の高いものは、自分のはいはいや立つ範囲の視界だけでは補えないので「見る」ことも十分にできません。
一緒に寝転んだりして子どもと同じ目線になって確かめながら、安全に見たり触れられる機会を作ってみてください。

 

Aの注意点としては、自分なりの方法でやってみる→テーブルを揺らす、椅子を倒すなどの行動につながります。
倒していいものかどうかの判断までは、まだできません。物事の全体と本質をこれから知ろうとしているところだヵらです。
離れた所でも大人の目と手の届く範囲で見守り、安全が保障された空間でやらせてあげてください。
「倒したら危ない」大人の私たちはわかっていることでも、経験が不足している子どもであればまだわかりません。
その行動に驚いた大人がさっと駆け寄り、B「危なかったね」「これは〜するもの、こういうものだよ」と教えます。
それを踏まえたうえで、また@をしたりAをして、Bを繰り返し伝えてもらうことで、知らなかったかった自分に上書きして、わかる自分になっていく。

 

当たり前のように感じるこの繰り返しが、子どもがわかるまでにとても大切です。

 

 

テーブルであれば、物を置くところ。なのに揺らす、
大人と私たちと反する行動が見られたとき、子どもがそのものに興味関心を示しているサインを私たちに教えてくれています。

 

 

私たち大人も真新しいもの、自分の知らないものを目にした時、興味関心を掻き立てられドキドキ、ワクワクする気持ちになったことがあるでしょう。
子どもたちも一緒で、その気持ちを子どもたちは全身で全力で感じ取ろうとします。
時間があるときは大人も一緒になってドキドキわくわくする、
その感覚がつかめた時、昨日よりも子どもが自分の言うことを聞いてくれると感じるようになったり、子育てがぐんっと楽に感じるようになることでしょう。

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