箸で食べてほしいけど、どのように身につけさせるの?

箸の持ち方を覚える月齢(2〜3歳)の子どもが座って何かに取り組む集中力は、20分続けば良いほうと言われています。毎日の食事数十分の時間で箸を上手になってもらうことは難易度が高いので、日々の生活や遊びの時間に落とし込むと習得が早くなります。食事の時間に箸を持つことは子どもにとって「力試し」の時間になるようにし、持てるようになる土台となる力を生活や遊びの中で着実に養っていきましょう。そうすると、トレーニング用の器具を用いらなくても身に付くようになります。

 

手づかみ食べは、直すことを強制しなくて大丈夫
スプーンやフォークで食事をしている様子や動作は、スムーズですか?もしもおぼつかない状態でしたら、まずは「手づかみ食べから、スプーンを持つことを定着させる」「スプーンやフォークでスムーズに食事ができる」ことを目標にして支えていきましょう。利き手にこだわる必要もこの時期ありません。気の焦りから無理に箸を導入しても逆効果になってしまいます。
手づかみ食べは、「口の周りもすぐ汚れて散らかる」「手でぐちゃぐちゃと食べて汚い!」という印象を受けるかもしれません。ですが、実は手づかみ食べの時期があった子は、なかった子よりも知能指数が高かった、という研究報告があります。食事を掴むために指先をたくさん動かしていること、自分の意志で自分の体を動かしていること、この経験値の差が脳の発達にも影響が出たと考えられています。自分自身で動きや力加減を調整できるようになる力が身につくと、箸への移行もそう時間がかからずに出来ます。スプーンやフォークでスムーズに食事ができるようになったら、持ち方にも注目してみましょう。
食事 スプーン 箸 持ち方
子どもが初めてスプーンを持った時は、大抵手の甲を自分側に向けている形で持つことでしょう。平らな面に置いてあるスプーンを拾って持った時の動作から、そのままこのように握りしめて持ちます。この月齢の時の子どもは「持ち替える」という発想がまだ生まれていないため、窮屈さや不便を感じていたとしても一人で持ち替えることは難しい、というよりも思いついていません。食べる意欲が高まってきたら、子ども側に掌がくるように、お母さんが直してあげましょう。
食事 スプーン 箸 持ち方
このようにスプーンを持ってくれたら、一緒に手を握って口元まで運ぶところまで介助してあげても良いと思います。スプーンで食べ物を救えたとしても、まだ食べこぼしやスプーンから落ちてしまうことも多い月齢です。お母さんが手を添えて介助してあげるだけで、この動作の習得が早く、食事の自立につながります。

 

箸の始まりのサインは、スプーンやペンの持ち方に注目

食事の時に限らず、お絵描きの場面でも長い木の棒を持った際でも、子どもの持ち方に着目してください。持ちたい物に下から手を通し、鉛筆を持つような形で握っていたら(指一つひとつは正確な位置でなくていいです)、更にその持ち方を維持できていたら、箸の導入を考えて良い時期でしょう。この時に中指が伸びた状態になっていたら、しっかり折り込むように介助してあげ、癖ついてきてからのほうが良いです。
食卓に並べる際は、スプーンと一緒に箸を並べてみるところから始めましょう。毎回使わなくても問題ありません。箸に触れない日があったとしても、まずは興味を抱いてもらうことが大切です。「こうやってやるんだよ」とお母さんが披露してみたり、様子を見て手を添えて介助してあげましょう。

 

鉛筆持ちはどうやって身につくの?

@指をたくさん動かしましょう。触る・掴む・握る・押す・引っ張る・めくる・つまむ等の動作が促される遊びを積極的に取り入れてみましょう。特に、親指・人差し指・中指を動かす事が子どもの脳に刺激を与え、動きの習得が早くなります。
Aクレヨンなどを使ってお絵描きをたくさんして、鉛筆持ちの癖を遊びながら無理なく身につけさせましょう。
B食事の時間は「食べる」事に集中できるように、箸は遊びの中でも織り交ぜて子ども自身で使い方を学ぶ時間を増やしてあげましょう。
例えば…
(絵の挿入)
割り箸は、子どもの使いやすい長さに短くしましょう。
切った部分はテープ類でしっかりと保護して下さいね。おままごとのひとアイテムに加えたり、掴み取りのように移し替えてみたりして楽しく遊びに取り入れてみましょう。細長いものなので、取り扱いには気を付けて遊んで下さい。

 

 

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